藤原正彦 『国家の品格』 [ビートルズ]
おくればせながら読んだ。よく売れた本の例にたがわず、軽く読めるぬるい本なので、厳密な読み方はせずに、よい意見・参考になる点があれば取り入れようと思う。
賛成できる点
論理だけに頼ることの危うさを、明確に論理的に説明している点
論理的には間違っていない対立する意見の中から、よりよい道を選び取る必要があるという考え方
そのための判断基準として、惻隠の情が大切である点
情緒は大事だという点
賛成しかねる点
「惻隠の情の大切さ」と「情緒の大切さ」の関係がよく書かれていず、二つがごっちゃになっている点
「日本人はみんな情緒を大切にし、欧米人は大切にしていない」と、とられかねない表現・例のあげ方
その一例:「秋の虫の音のよさを欧米人は理解できない。」
国民の総意による過ちを防ぐために、教養ある真のエリートが必要といっている点
(エリートが過ちを起こす場合もあるので賛成しかねる。マスコミや周囲の意見に躍らされない人を増やす方法を検討したほうがよいと思う。)
ビートルマニアとしての一言
Sun Kingの冒頭の虫の音はよい。たとえ変わったノイズとして入れたのだとしても、作曲者のJohnとメドレー化したPaulは、その音を入れたほうがよいと判断したのだろう。ビートルズ(とGeorge Martin)は、レコードを作成する上で、何を採用し何を捨てるかの判断に間違いがなかった。彼らを含め、一般に芸術家は情緒を大切にしていると思う。
データサイエンス的な見方からの一言
情緒に関して、日本人のなかにもバラツキがあるし、欧米人にもバラツキがある。自分としても情緒を重んじるときもあれば、ないがしろにしているときもある。惻隠の情に関しても同様。
人種・国籍・宗教によらず情緒のわかる人を尊敬しよう。
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